或る日の某家の父と娘の会話




「ねぇ、何かネタはない?」
「えー、また?」
「またって何だよ? いつも頼んでるみたいじゃん」
「違うの?」
「それは・・・まぁ、ともかくだ。
 毎日、学校行ってりゃ、まして部活をしてるんだから
 ネタの1つや2つは無い方がおかしいべ?」
「あのさ、それってどう言う理屈?」
「で? ネタは?」
「人の質問はスルーですか?
 別に良いんだけど」

「おいおい・・・いや悪かった!
 で? ネタは?」
「あのさ・・・」
「何?」
「もう良いよ」
「良いよって事はないだろ?
 だいたいだなぁ〜」
「はいはい、分かりました
 ネタですね?
 はい、今日は何もありませんでした!!
 これで納得?」

「納得も何も、何かひとつくらいはあるだろ?
 例えばさ、先生に呼ばれて慌ててコートに入ったら
 ラケットじゃなくて箒を持ってたとか
 サーブを打ったら
 隣のコートにサービスエースだったとかさ」
「じゃ、それを書けば?」
「書けばって、お前・・・冷たい奴だなぁ〜」
「あらっ、さっきから冷たい視線を送ってたのに
 やっと気がついたの?」

「あのなぁ〜
 お前は昔はそんなじゃなかったぞ」
「すみませんね〜
 こんな娘に育ってしまい・ま・し・た!」

「そんな娘に育てた覚えはないけどね」
「じゃ、どんな娘に育てたかったの?」
「そりゃね、優しくてだな
 で、思いやりがあってだ
 それでもって、素直な子にね」
「あー、それは残念でした
 
私、お父さんの背中を見て育っちゃったから」
「ん? どう言う意味?」
「いや、特に・・・」
「あのなぁ〜」
「何?」
「だから・・・」
「だから?」
「だからさ、なんだ・・ほれ?」
「ほれって言われても無いものは無いの!」
「あれ? 言わんとした事分かっちゃった?」
「普通、分かるっしょ」
「だよな〜 でも、本当は何かあるべ?」
「だから、そんないつも無いって」
「それはマズイぞ!」
「何が?」
「だってさ、ネタが何も無いとなると・・・」
「?」
「今の会話がそのままブログに載る事になるぞ」
「何それ? もしかして脅迫???」
「まさか! そんな訳は無いっしょ。
 仮にも俺は父親だぞ。
 どんなに困っても娘を脅迫する訳無いじゃん」
「してんじゃん」
「いやいや、これは違うって。
 これは立派な”お願い”だから」
「立派なお願いってどんなさ?」
「ほれっ、これだ」
「どれ?」
「だから〜 ほれっ」
「どれ?」
「ほれっ、ほれっ、ほれっ」
《”彼”が何をしているか想像してください(笑)》
「私のネタよりそっちの方が面白いんですけど
 
それ動画で写す?」
「止めてくれ、お父さんにもイメージってもんがだな」
「イメージねぇ〜 みんな知らないんだろうなぁ〜」
「ん? 何が?」
「いや、だから本当のお父さんの事」
「何が?」
「たまには私が書いてあげようか?
 
お父さんの有る事、無い事」
「お前が書いたら無い事、無い事になるべ?」
「面白かった良いんでしょ?」
「お前ね〜 嘘はいかんぞ」
「だって、真実でしょ?」
「何が?」
「お父さんのそれ」
《またまた、想像してください》
「あのなぁ・・・」
「何か?」
「い、いや・・別に・・・」




この勝負、娘さんの勝ちです
夢乃さん、自分のブログは自分で考えましょうね

「はい・・・」































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