珈 琲 時 間
家人が寝静まった夜半
1人でダイニングテーブルに座りパソコンに向かう
電源を入れると
静けさを打ち破るように
パソコンのファンは低い唸りを上げ始める
他に音は無い
タバコに火を付け
やがて
いつもの儀式のように
パソコンの起動画面にパスワードを入れる
煙草の煙をひとつ吐き出した後で
台所に歩き
ヤカンに水を足し
お湯を沸かす
ガスコンロのバーナーを点けると
ヤカンは静かに音を上げる
パソコンは見慣れたデスクトップを表示し始める
やがて
コトコトとヤカンが揺れだし
お湯が沸騰を始める
カップにお湯を注ぎ
二度、三度カップを回し
お湯を捨てた後で
いつものインスタントコーヒーを入れる
昔は
ミルで挽いたコーヒー豆の香りを楽しみながら
ドリップの落ちるのを飽きずに観ていたっけ・・・
何も贅沢な物は無かったけど
それがささやかな贅沢だった
ささやかな贅沢も
小さな拘りも
今はすっかり変わってしまった
それも仕方の無い事・・・
コーヒー&シガレット
何はさておき
これでスタンバイOK
まずは
コーヒーをひと啜り
コーヒーの香りの中を
色々な想いが過っていく
煙草の煙をくゆらせば
色々な風景が煙の中に現れては消えて行く
『さてと、今日は何を書こうか・・・』