現代夫婦百景 〜愛妻家と恐妻家〜



「うちのかみさんがね〜」

ご存知、刑事コロンボのいつもの台詞である

彼が愛妻家か恐妻家かは
ひとまず置いておくが
概ね世間では
この後に続く言葉によって
愛妻家と恐妻家に分かれたりするのであろう


愛妻家の定義を紐解くと
「妻を愛し思いやる人」とある

一方、恐妻家は
「妻に頭が上がらない人」と言う訳だ


愛妻家、恐妻家と言う言葉は有るが
愛夫家や恐夫家と言う言葉は無い

愛犬家や愛猫家さえ有るのに・・・

と言う事は
この世には夫を愛する妻や
夫を恐れる妻はいないと言う事なのか?

(*夫の暴力DVを恐れると言うのは今回は除外しての話)



「僕は毎回ゴミ出ししてるんですよ」

「昨日も帰りに妻に頼まれて
  スーパーで買い物をして帰ったんですよ」

「妻の誕生日には花とプレゼントは欠かしません」


こんな話を聴いて愛妻家なんだと思う人

或いは
「男のくせにだらしない」
と、目を顰める人もいるだろう


この彼は愛妻家なのだろうか?
それとも恐妻家なのだろうか?


同じ行動が
実は対極の男達によって
演じられていると言うのは
いささか不思議な感が有るのを否めないのだが
愛妻家と恐妻家の彼らは
お互いの事をどう考えているのか
私も同じ男ながら
興味の湧く処である


もっとも
どちらにせよ
それで本人の居心地が良いのなら
彼をどちらかに決め付けるのは
余計なお世話と言うべきか?


夫婦で大事なのは
お互いが鍋と鍋蓋のように
ぴったりと収まっている事だろう

ただ
その鍋と鍋蓋も歳月を経ると
段々と歪みもへこみも出来てくるものだ

その時に
うまく修理が出来るのか
或いは
もう諦めて歪んだままにしておくのか?

何れにしても
ひとつの鍋を長く使い続けるのは
忍耐がいる事である

対極にいるような
愛妻家と恐妻家だが
実は、この点に於いては
お互いに分かり合える処となるのだ


えっ?
私・・・?

私は・・・

そう

恐らくは愛妻家では無いが
恐妻家でも無いのです

愛妻家と恐妻家
そして、男にはもうひとつの選択肢があるのです

その話はいずれまた・・・




























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