現代夫婦百景 〜 つりあい 〜



某所在住
結婚17年目 Y氏のつぶやき・・・


分相応と言う言葉が有る

背伸びをしたって
いつまでも続くものでは無い

高望みをしたところでたかが知れている

かと言って
最初からそう謙る(へりくだる)事も無い

結局は程々が良いと言う事か?

その”程々”の中には
『あきらめ』も含まれるのかも知れないが・・・


昔、独身の頃

テレビで
「新婚さんいらっしゃい」や
「パンチDEデート」等を良く観ていた

毎回毎回
色んな夫婦やカップルがいるもんだと
時には感心したり
羨んだり
腹を抱えて笑ったりしながら観ていたのだが

出場者の女性の中には
当然好みのタイプの女性もいたりした

そんな時は
「こんな男になんで
 こんな素敵な女性がくっつくんだ?」
と、やっかみもした

「あー、こんなキャラ好きだなぁ〜」
とか萌えてみたり

(あっ、当時はこんな表現は無かったっけ)

そしてまた
時には
「なんて甲斐甲斐しいんだ。男もしっかりしろよ!」
とか
テレビを観ながら
画面に向かって突っ込んでみたり


それから数年が経ち
その間に私も結婚をした

それからまた ン十年・・・

相変わらずテレビを観ては
今度は
ついうちの奴と比べて観ている自分がいる

「あー、こんな人って良いなぁ〜」

「うちの奴とは大違いだ」

「こんなに旦那を立てる女性っているんだ〜」

「なんて健気な女性なんだぁ〜」

ふと
しみじみと考え込んだりする

良く
夫婦を鍋と蓋に例えるが
全てがピッタリ合う鍋と蓋ばかりではない

歪んでいるものも有れば
ヒビが入ってたり
欠けたりしてるのも有る

それでも何とか
それなりに体裁を繕って合ってるフリをしている

例え
何かの拍子に水がこぼれても
それはただそれだけの事

何事も無かったかのように繕うだけの話だ

鍋の中には
作っている途中の料理が入っているのだから
今更
鍋を取り替える事も
蓋を取り替える事も出来ない

ならば
分相応と諦めてしまえば少しは気も楽になるだろう

それが”つりあい”と言うものだ

『つりあい』

”つりあい”が転化すると”つれあい”になる

それが夫婦ってものなのだろう

もっとも

”つれあい”も長年を経て
もう少しカタチも崩れたりすると

そのうちに

”つれない”

となるのだが・・・

それはまぁ・・・お互い様と言うところだろうか?



























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