花のように








花は散るから美しいんだとか。

散り際の潔さは
武士道に於いては美徳とされていました。

かつて
そう教育されて国の為と散っていった
数多くの若者達がいました。

今の時代は幸せです。

散る花を眺めながら
死と切り離した所で美しいと言える時代なのですから。


確かに花は儚く散るから美しいのかもしれません。

でもそれは散り際を言うんじゃなくて
何処でどんな風に咲いていたか?
それを知った上で言う言葉なんでしょう。


潔く散るのも花なら
風に吹かれ雨に打たれ
たった一輪になっても往生際悪く咲いているのも
又、花ですね。


人の眼を楽しませながら咲いている花。
人目に付かずに咲いている花。
僅か数日で散ってしまう花。
何ヶ月も楽しませてくれる花。
大きな花や小さな花。
群生して咲いている花。
たった一輪ポツンと咲いている花。
庭に咲いている花。
高価で珍重される花。
名前も知らない山野の花。


花はきっと散る時の事なんて考えては咲いていない。

「私は精一杯咲いている」

なんて事もきっと考えては咲いていないんでしょう。

だから美しいのかな?
なんて思ってしまいます。









































inserted by FC2 system