引き出し








改めて
自分の引き出しの少なさを思い知らされます。


引き出しが少ないのみならず
中に入っている<モノ>も
いつの間にか減ってしまっているようです。

昔は
自分の引き出しの中には
溢れるくらいたくさんの<モノ>が入っていると
自負をしていたんですけどね。



昔は食事の度に
「ご飯粒を残したらダメだよ。
 農家さんが丹精込めて作ってくれてるんだから
 残したらバチが当たるよ」
そう、母に良く言われていました。

そう言う母は
おひつに残ったご飯粒を
毎日きれいに片付けていました。

時には
縁に残ったご飯粒は
おひつにお湯を入れてうるかしたりしながら。


今、私は自分の引き出しの中に
こびり付いている<カケラ>を
何とかヘラで掻い出しながら文章を書いている。

そんな感じでしょうか。


ドラえもんのポケットのように
何でもすぐに出てくる
魔法の引き出しを
持っていたら良いのでしょうが
そうはいきません。

私の文章を読んでいただいた方からは
時折り
「お前は多重人格か?」
って言われますが ←(私にとっては一番の褒め言葉です)
私にはそんなゴーストライターもいません。

昔は良く<ネタ>を提供してくれていた娘達も
大人になった今ではすっかり全うになってしまって
<ネタ>があっても提供を拒んでいます。


引き出しの中身って
使えば使うほど減っていきますが
使わないと
それ以上に失くなってしまいます。


引き出しの数や
その中身を増やす方法はたったひとつ。

感性を磨くことです。

本を読むのも良いでしょう。
音楽を聴いたり映画を観たり
もちろん
絵画や彫刻、そして写真鑑賞でも良いのです。

アプローチは色々ありますが
共通するのは作者の心に触れることです。

つまり想像をすること。

そこに感動があれば
引き出しの中身は自然に増えていきます。


でも
それだけではなくて
もっと身近なところにも
意外とその手立てはあったりします。


折しも
もうすぐ春です。

家を飛び出して
外に出てみるのが手っ取り早いかな。

地面を歩いて感じること。
手に触れて感じるもの。

風の匂い。
空の色の変化とか野山が形作る風景。

目に見えるもの。
聴こえるもの。

きっと、たくさんあるね。


さぁ〜
錆付いてきている感性を
また、磨き直ししなくっちゃ!!!






































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