蛍の話、あれこれ







昔・・・

私が子供の頃は
田舎に住んでいたせいも有るのでしょうが
螢は珍しくは有りませんでした

夏になると良く近所の池で螢狩りをしたものです


螢を捕まえて
虫かごに入れて窓辺に飾っていました

部屋の電気を消して少しすると
ボヤーッとした淡い小さな光が灯ります

子供ながらに
飽きもせずに見ていたのを思い出します


今はそんな事をしちゃいけませんね

静かにそっと目に
そして心に焼き付けましょう

今では螢狩りなんて言わないですからね


時代は変わって今は「螢鑑賞会」?


今は昔ほど
自然の螢を見る事は出来なくなりました

それでも
各地で螢が暮らせる水辺を整えて
螢を放して
棲息出来るようにしている所も増えてきています


螢を放して
それを鑑賞するなんて
何だか寂しい気もしますが
でも、キレイな水が無いと螢は生きていけません

身の周りの環境

それを意識するようになれただけ
まだ未来にも希望が持てるのかも知れません


本当に大切にしなければならないモノ

もう一度
周りを見渡してみるには
良いキッカケになるでしょう



それから

螢と言えば
この時期はやはり「火垂るの墓」でしょうか
             (野坂昭如 著)


 ”駅の構内で衰弱死をした兄の清太。
  所持品は錆びたドロップ缶だけ。
  その中には
  妹の節子の小さな遺骨が入っていました。
  駅員はこの錆びたドロップ缶を見つけ
  「何やこれ?」
  と言って草むらに放り投げました。
  すると、
  地面に落ちた
  缶から飛び出した節子の遺骨の周りに
  螢が群がり
  魂とも思える淡い光を放ち
  節子が現れると
  衰弱死をしている清太を見つけ・・・”



実はこのビデオは
もう20年程前に一度観たきりです

それからは一度も観ていません

と、言うより観れないのです

子を持つ親になってからは尚更でした


良く言われる戦争の悲惨さ

戦争には大義も名分も有りません
有るのは哀しみと憎しみだけなのに
それはみんなが解っているはずなのに
でも、未だに
世界中から戦争は無くなっていません

本当に大切にしなければならないモノ
本当はみんな解っているはずなのに・・・



いつ、何処で聞いたのか
何かで読んだのかも忘れましたが
螢を吟った浪曲か都都逸の一節を
何故か今でも覚えています

 ”光れぬ螢は身を焦がす”

どんなに恋焦がれても
実らない切ない恋を吟った歌なのでしょうか

それとも
ジッと耐えるように
想いを募らせる切ない片想いなのでしょうか

詳しい内容は忘れてしまいましたが
日本独特の情念の世界を感じます

この情感も
日本人が忘れてはいけない大切なモノ


小さな螢は形を変えて
私達に失くしてはいけない大切なモノを
教えてくれているようです











































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