政治家様・官僚様向け実用便利用語集[第二版]
『はじめに』
この用語集は政治家・官僚の皆様の「雲上人生活」を
快適に過ごして頂く事を目的に編纂されています。
言葉本来の意味などは気にせず御使用下さい。
又、何か困った折りには使える用語も
多く集めておりますのでぜひとも御役立て下さい。
≪ ア行 ≫
【 安全保障 】
もちろん自分達の身の安全を守ることです。
その為にも大国の機嫌は損ねないようにしましょう。
【 遺憾 】
釈明会見、謝罪会見等
どんな不測の場面にも使える重宝な言葉。
本来の意味は
「期待したようにならず残念に思う事。」
つまり、「反省」の意味は全く含まれていないので
心おきなく使えます。
又、接頭語として「はなはだ」を使う事で
”とても迷惑だ”と言う気持ちを
広く一般に伝える事が出来ます。
【 鋭意努力する 】
それらしいポーズを示したい時に使える言葉です。
【 オフレコ 】
マスコミを上手く使いたい時に
この言葉を添えると大きく取り扱ってくれます。
≪ カ行 ≫
【 改革 】
時間を稼ぎたい時に使える言葉です。
【 可及的速やかに 】
自分のペースですると言う意味で使います。
【 外遊 】
公費で行ける海外旅行。
もちろん、家族同伴で構いませんし
ゴルフ代もお土産代も公費から支出されます。
【 危機管理 】
大して気にしなくても良い言葉です。
これが無くてもそう簡単に国は滅びません。
【 規制緩和 】
最終的な権限は残しておく事。
【 忌憚の無い意見 】
建前を求める時に使います。
耳障りな言葉は無視をしておけば良いのです。
【 喫緊の課題 】
その内やれば良い課題を指します。
【 機密 】
国民に知られたら困る事柄。
【 行政改革 】
真剣に取り組まなくても良い事の例え。
【 許認可権限 】
いわゆる伝家の宝刀です。
有無を言わせずに圧力をかける事が出来ます。
【 苦渋の決断 】
国民に無理を通す時は
この言葉を添えると通りやすくなります。
【 献金 】
法律の抜け道は幾つも残してありますので
気兼ねなく集めて問題はありません。
【 憲法 】
国民を縛る為の法律であり
その解釈は自分達で決めて良いことになっています。
【 現在調査中 】
時間稼ぎ用の言葉です。
もちろん、未着手の時にも使えます。
【 厳粛(真摯)に受け止める 】
本当に受け止める必要はありません。
ポーズを見せるだけの時に活用下さい。
【 原則 】
本目的を、さも例外のように見せられる魔法の言葉。
【 公費 】
好きに使って良いお金の事。
【 公約 】
守らなくて良い口約束の事。
【 国益 】
もちろん、自分達の利益の事です。
【 国民 】
せっせと税金を納めてくれる金づる。
【 コミット 】
本来は「約束。誓約。公約。確約」の意味ですが
うやむやにしたい時に英語を使うと
解釈の違いを理由に出来て非常に便利です。
≪ サ行 ≫
【 採決 】
物事を決めたい時に行います。
どうせ野党は欠席(又は、退席)をするので
強硬採決なら尚有効です。
【 再発防止 】
責任を逃れたい時に使います。
口約束で問題ありません。
【 慙愧(ざんき)に堪えない 】
本来の意味は
「あまりに恥ずかしくて死にそうなくらいだ」の意。
「慚」は人に恥ず、「愧」は天に恥ず。
でも、それは気にしなくても大丈夫です。
一応反省をしているフリをしたい時に使う言葉です。
とりあえず難しい言葉を使えばそれらしく聴こえます。
【 然るべき時 】
時期を明確にしたくない時、明確に出来ない時には
この言葉を使用すると便利です。
「自分にとって都合の良いタイミングで」
と、言う意味でも使えます。
【 至急、迅速且つ慎重に 】
この言葉で一番意味を持つのは「慎重に」です。
時間を気にせずゆっくり慌てずにやる事を言います。
【 失念 】
忘れていたとしても決して認めてはいけません。
反省のポーズだけで済ましたい時に使います。
【 釈明会見 】
その場しのぎの言葉を並べて煙にまく舞台。
【 集団的自衛権 】
あくまで強調をするのは「自衛」です。
曖昧な部分を多く残すことで
後の対応をしやすくしておきましょう。
仮に現地に危険が有ったとしても
皆様は安全です。
【 重要法案 】
自分たちの利益にとって大事な法案を言います。
【 粛々と進める 】
反対意見を無視したい時に使います。
【 職責を全うする 】
もらった役職を手放したくない時に
その旨をアピールする為の言葉です。
【 諸般の事情 】
自分の都合を言います。
【 集中審議 】
法案をすぐに決めてしまいたい時の会議。
【 事態の推移を見守る 】
何もしたくない時にとりあえず使う言葉。
【 十分に配慮 】
国民にでは無く、政治家や官僚同士。
或いは、長老議員や先輩官僚に気を利かせる事です。
【 責任 】
特に地位が上の方ほど
絶対に認めてはいけない言葉です。
何か失敗をしても大きな事件・事故が起きても
気に病むことはありません。
良くあることなのですから。
【 説明責任を果たす 】
曖昧な言葉でお茶を濁して
その場を回避出来ればそれでOKです。
【 選挙 】
堂々と嘘を並べても
当選さえしたら全て許されます。
国民に直に触れたくない場合は
白い手袋をはめる事を勧めます。
【 選挙区 】
お金が埋まっている畑の事です。
【 善処 】
対応するのが面倒な時はこの言葉を使います。
実際に対処する必要はありません。
【 前例がない 】
逃げ言葉。
面倒な頼まれ事を断る時に良く用います。
【 想定外 】
責任逃れや非難を避けたい時に使う言葉です。
≪ タ行 ≫
【 対応を協議する 】
時間を引き延ばしたい時はこの言葉が便利です。
【 大局 】
大雑把で良い事。
【 第三者委員会 】
逃げ口上の時に設置できる便利な委員会。
言い含めの効くメンバーで構成をするので
後の心配は必要ありません。
【 大所高所に立つ 】
細かい事には拘らない大局的な判断を言います。
【 適宜 】
適当にお茶を濁したい時に使う言葉。
【 適切な処置 】
身内に火の粉が降りかからないようにする事です。
【 特段の理由 】
別に聞きたくは無い理由の事。
≪ ナ行 ≫
【 根回し 】
お互いに責任がかからないように調整をする事。
時には、その為に使うお金を指す場合もあります。
≪ ハ行 ≫
【 非常事態 】
無理を通したい時に使うと便利な言葉です。
【 不退転の決意 】
強くポーズを見せたい時に使います。
もちろん、結果なんて気にする事はありません。
≪ マ行 ≫
【 前向きに検討 】
「善処」と同類語です。
結果は気にしなくても問題ありません。
【 民意 】
自分達に都合よく解釈して良い数字や論調。
【 申し上げる立場にない 】
責任を他に押し付けたい時に使います。
≪ ヤ行 ≫
【 憂慮 】
いちいち気にしても仕方のない事。
【 癒着 】
仲良くするの意であり、何ら責めを負う事はありません。
『編集後記』
2014年に初版を発表後、改定を加えて二版目になります。
もちろん、これはタップリの皮肉を込めたパロディです。
でも、案外
こんなところが政治家や官僚の本音かも知れません。