漢字って面白い その1








「”不可能”の反対語は
 ”可能”ではない・・・”挑戦”だ」

黒人初のメジャーリーガー
ジャッキー・ロビンソンの有名な言葉です


うん、良い言葉だと思いました

辞書的には
”不可能”の反対語は”可能”で良いのでしょうが
それを”挑戦”と言い切るところに
黒人として
初めてのメジャーリーガーを目指した彼の
力強い不屈の意思が伺えます


ロビンソンがメジャーリーグ入りを目指した時
周りの誰もが
「無理だ」「不可能だ」「止めた方が良い」
そう言いました

それらの言葉に対して
ロビンソンがこう言ったとされています


ロビンソンがメジャーリーガーを目指した
1940年代後半当時は
黒人だと言うだけで
まだまだ偏見や風当たりが強かった時代でもありました


余談ですが
ジャッキー・ロビンソンを誘った
ドジャースのオーナー(当時)ブランチ・リッキーは

「君はこれまで誰もやっていなかった
 困難な戦いを始めなければならない。
 その戦いに勝つには
 君は偉大なプレーヤーであるばかりか
 立派な紳士でなければならない。
 仕返しをしない勇気を持つんだ」

と、ロビンソンにそう言い
ロビンソンの右の頬を殴ったのです

すると、ロビンソンは

「頬はもう一つあります。ご存じですか?」

と、そう答えました


こんなエピソードが残っているそうですが
これだけを読んでも
当時の黒人への偏見と風当たりの強さが
社会的にもどれだけ大きかったのが伺い知れます


それまでは白人だけのモノだったメジャーリーグ

その中で
黒人として
初めてのメジャーリーガーを目指すと言うのは
「自由の国アメリカ」と言えども
今の時代では考えられない程
並々ならぬ困難が有ったのでしょうね



さて

”不可能”の反対語

「辞書的には」と上で書きました


ロビンソンの言葉を借りれば
”可能”ではなく”挑戦”と言う事でしたが

では
その”挑戦”の反対語は何でしょう?

”不可能”?

でも、それじゃ言葉としてもおかしいですよね


じゃ、例えば

”逃避”?

そうですね
辞書的にはそう言う事でしょう



”挑戦”の反対語は”逃避”


ここでふと気が付きました


挑戦の「挑」と逃避の「逃」は
面白い事に
偏(へん)が違うだけなんですね!


手を使うと”挑(いどむ)”になりますが
足を使うと”逃(にげる)”になるのです

(注釈)手偏(てへん)は文字通り手を表します
    (しんにゅう)は意符としては道を行く事
    歩く事、道、脚などに関わる事を示しています



”兆”は物事の兆し(きざし)、前触れと言う意味です

物事の兆しを手で掴もうとする戦いが”挑戦”
そこから避けて逃げようとするのが”逃避”

手と足

それだけの違いで全く逆の意になるなんて
言葉って上手く出来ていますね


最初に漢字や熟語を作った人が誰なのかは分かりませんが
深い知識と
それのみならず
豊かな想像力を兼ね備えた人達なんでしょうね


漢字ひとつで
何百年、何千年経った今でも
こうして私をワクワクさせてくれるのですから







































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