言 葉









心の内を言葉にするのは案外難しいものです


人の心は
いつも何処か曖昧で
いつも何かで揺れているものなのですから

しかも
心は常に変わっていきます


「自分のことは自分が一番良く解っている」

良く、そう言いますが
果たしてそうなんでしょうか?

案外
自分のことを一番解っていないのは
自分自身なのかも知れません


だからなのか?
違う理由があるのか?

どれだけの言葉を並べても
どんな言葉で表しても
心の内は言い尽くせはしないのです

それでももし
言い尽くそうとしたなら
今まで生きて来た人生と同じか
或いは
それ以上の時間が必要になるでしょう

いや

それでも言い尽くせないかも知れません
言葉はそこまで万能ではないのですから





今、誰かに対して思っている”こと”

たった、そんなことすら
果たして、全ての想いを
残さず伝えきることが出来るでしょうか?


中途半端な言葉は
かえって人に誤解を与えたりします

相手を思いやったはずの言葉が
逆に相手を傷付けてしまったり

或いは
自分が思う以外の
全く反対の思い込みを
相手に与えてしまうことがあります

安易な言葉ほど
放たれた途端に
自分の意思を離れて一人歩きを始め易いのです

だからといって
慎重になり過ぎると
今度は
ますます心の内を伝えるなんてことは
出来なくなってしまいます

そこも言葉の難しいところです




それでも人間は
言葉無くしては何も語れません

何も伝えられません


「目は口ほどにモノを言う」だとか

「行動や態度で示す」とはいっても

それが全ての言葉を超えることはありません

何故ならそれらは
”解ってくれる人がいる”ことで
成り立つものなのですから


「言葉に尽くせない感動」

確かに
それが何より雄弁な言葉だという
そんな場合もあります


しかし


言い尽せないとしても
どんなに難しいとしても

今在る
ありのままの心の内を
言葉として口に出すことが大切なことなのでしょう


それを伝えたい相手が傍にいる限り

































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