許  容







世の中には自分が納得出来なくても
受け入れなければならない事ってある


例えば
それが友達なら
付き合いを止めれば済む話でも

例えば
それが会社での事だったりすると
納得が出来る、出来ないと言う事だけをして
自分の判断材料には出来ない



若い頃なら
それでも突っ張って
自分が納得出来ない事は全て否だった


相手が誰であろうと
どれだけ相手を傷つけようと

”納得出来ないものは納得出来る訳がない”

そう思ってたし
それが自分の正義だった



今は逆にそれを否としている自分



本当は今でも

”納得出来ないものは納得出来ない”

そう突っぱねて
生きていけたら良いのにって心の中だけで思っている



だけど
今はその心を奥底に押し込めている

”自分独りで生きている訳じゃないんだから”

そう自分に言い聞かせて


”若い頃、真剣に思っていた自分の正義も
 本当は独りよがりのワガママだっただけかも知れないな”

歳を重ねた事で少しづつ分かってきた事もあった



それが大人になったって事?

それが社会人として取るべき当然の態度?

それが相手を、そして周りを気遣うって事?


妥協と言う言葉も
いつか人生の中では協調って意味に変わってきた



”是々非々”(注)

それだけを人生の標には出来ないって事

今も納得は出来ないけど
でも、理解は出来るようになった


全て受け入れて
それを自分に対して正当化する理由は後でつければ良い


それだけの事だ・・・多分・・・






(注)「荀子(じゅんし)」修身の

”是を是とし非を非とする、これを知といい、
 是を非とし非を是とする、これを愚という”

良い事は良い、悪い事は悪いと
公平な立場で判断する事











































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