桃の花をひと枝、飾る 〜2011〜






ねぇ、母さん
僕はあなたが願ったような大人になっているかな?

目を瞑り、胸に手を当てて問いかけてみる


『ふぅ』

ため息がひとつ
地面にこぼれて消えた


胸に当てた手をそっと下ろして首を振る


そうだね
母さんはごまかせないよね?

確かに
僕は母さんが願ったような大人にはなれていないよ


「本当にお前はバカ者だね」

って、怒っているかな?

それとも、呆れて苦笑いをしてるだろうか?


でも、これが僕の選んだ生き方なんだ
何があっても後悔はしないよ

いや、後悔をしたとしても
それを誰かのせいにはしない


「あんたの好きなようにしたら良い。
 歳を取ったって
 母さん達はあんたの世話にはならないから」

生前の言葉が蘇る


きっと、今頃はこんな僕を見て

「あんたの人生だから」

って、そう笑ってくれてるよね?


あなたの愛したバカ息子は
多分バカな生き方しか出来ないかも知れない

でも・・・

これでも色々な事に悩みながらも
せいいっぱい生きているよ



3月1日

今日は母の誕生日

母の命日8月25日は
長女の誕生日でもあるので
その日を悲しみの日に出来ない私は
母の誕生日を偲ぶ日にしている


そして
今年も桃の花をひと枝、心に飾る




























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