「何より」の「何」って何が何より何なの?







A「おかげで手術も無事に成功して
  何とか退院する事が出来たよ」

B「それは何よりだったね」


こんな会話って日常に良くありますよね

この「B」の台詞ですが私も良く言います


でも、ふと思いました

「何よりの何って何? 何が何より何なの?」

そして、こうも思いました

「この『何より』の『何』って
 言う人みんな同じ事を念頭に言っているんだろうか?」


それはつまり
何か良く無い事に対して結果が良かったと言う時

上の例で言えばBが言う意味はこうです

B「病気は大変だったろうけど
  治って良かったね」

或いは?

B「病気は大変だったろうけど
  死ぬよりは良かったよね」

病人に対して
当たり前ですが「死ぬ」なんて言葉は使えませんよね


或いは
相手にハッキリとした物言いを避けたい時

(曖昧に話を終わらせたい時?)

これも上の例で言えば
本当はこうなのかも知れません

B「癌だったんだろ?
  再発しなきゃ良いけどね。
  までも、取りあえずは良かったね」

これも同じですが
更に事実に踏み込んで
「癌」と言う言葉を使うのを避けたい気持ちが
「何より」と言葉を変える事で
敢えて抽象的にしているのです



「何よりだね」

「何よりだったよね」

「何よりじゃん」

「何よりでしょ!」

「何よりだったんじゃない?」


このそれぞれ
微妙ですがニュアンスが違うの分かりますか?

つまり
このニュアンスの違いと言うのは
それぞれが思い浮かべた『良く無い』事柄や
お互いの関係性によってで違ってくるのでしょう


物事に対して
ハッキリした人が思う「何より」の「何」は
きっと最悪な事を指しているはずです

でも
大概の人はきっと
何となく良く無い事をぼんやりと思い浮かべて
あえて、悪い事を明確にしていないのかも知れません


さて
冒頭の会話ですが
この会話ががもし医者と患者だったとしたら?


患者「おかげで手術も無事に成功して
   何とか退院する事が出来ました」

医者「それは何よりだったね」

*医者の心の中
  →いやぁ、簡単に終わる手術のはずだったんだけど
   途中、ミスってヤバかったわ。
   又、今回も死なすかと思ったけど
   何とか持ち直してくれて助かったよ。
   何より、何より・・・


医者が言う「何より」

ここについては
100人が100人
100発100中で明確に答えが見えるだけに

それが「何より」怖いです(笑)






































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