例えば今が人生の秋だったとしても






歳を重ねて
確かに知恵はついた


良く言えば
利口になったのか?

物分かりが良くなったのか?

少しは世の中が見えるようになったのか?

世渡りが上手くなったのか?


しかし

悪く言えばそれは
ずるくなったと言う事なのか?

諦めが良くなったと言う事なのか?


諦める事に罪悪感も持たなくなった

むしろ
いつまでも固執する事の方が
恥ずべき事だと自分に言い聞かせている


何か物事をしようと思う時
まず、頭の中でシミュレーションをしてみる

頭の中でバラバラのピースを並び替えて
頭の中でパズルを完成させる


パズルは一度作ってしまえば
もう作る必要は無い

結果の見えているゲームほど
つまらないモノは無いのだから


そうして

やがて頭の中だけで人生が流れていく


失敗はある意味
若さにのみ許される特権である

歳を重ねた者には
失敗の言い訳の余地は残されていない

失敗を取り戻す時間の余裕もない


だから、慎重になる

しかし
慎重さは柔軟な発想にブレーキをかける

冒険しようとする心を戒める


慎重過ぎると言う事は
やらずに諦めるのと同じ意味なのに
大人達は言葉を変えて
自分を詭弁で武装する


歳を重ねて
得たモノは多いが
それと引き換えに失ったモノは
それ以上に多い

しかもそれは
もう取り返せないモノばかりだ


しかし
それは本当にもう取り返せないのだろうか?


いや
無理をして取り戻す事などないのだ

失ったモノを数える必要もない


春夏秋冬
それぞれに味わいや風情が違うように

夏の太陽と冬の太陽の
与えてくれるモノが違うように


認めれば良い


今の自分の出来る事
出来ない事を素直に認めれば良いのだ


今しか出来ない事がある

今だから出来る事がある


例えば今が人生の秋だったとしても
秋にしか実らないモノだってあるのだから





























inserted by FC2 system