ウサギとカメ  〜理想の結末とその夢乃的考察〜







誰もが知っている「ウサギとカメ」の話

そこには
どんな教訓が込められているのでしょう?

そして、それは本当に正しいのでしょうか?



「世界で一番ノロい」とまでバカにされて
無謀にも?
ウサギに駆けっこ勝負を挑んだカメ

ノソノソと歩くカメに対して
ウサギはピョンピョ〜ン

普通なら
絶対にウサギが負けるなんて有り得ません

ところが慢心したウサギは
大余裕で昼寝をしてしまった為に
その間に
カメがウサギを追い越して勝ってしまいました

めでたし、めでたし。。。


えっ?

待って下さい

めでたし、めでたし?

そうですか?

本当に?


どうしてカメは
ウサギを起こして上げなかったんでしょう?

あのアリでさえ
夏中遊び呆けていたキリギリスを助けたのに


確かに
一歩一歩コツコツと頑張る事は尊い事です

でも、だからって
他の人はどうでも良いんですか?


もちろん
悪いのはウサギです

「自分はカメなんかに負けるはずが無い」

そんな慢心があったからこそ
勝負の途中で寝てしまい
結果、勝負に負けてしまったのですから


この話の教訓は

「己を過信して努力を怠れば失敗する。
 諦めずに継続して努力をすれば報われる」

そう言う事ですね?

確かにその通りなんですが

でも、視点を少し変えると
何だか釈然としない思いも残ります

まぁ、単に
私が捻くれているからなのかも知れませんが


それでは
”理想”の勝負結果は
どう言う形だったなら良かったのでしょう?


寝ているウサギを見つけたカメがウサギを起こす

ウサギは起こしてくれたカメに感謝をして
そのお礼に
ウサギはカメを背負い一緒にゴールをする

めでたし、めでたし。。。


身の回りの人間関係で考えると
まぁ、そんなところでしょうか?


差し詰め、教訓はと言うと

「親恩、礼節、友愛、慈愛。
 これ即ち人の道なり」


これで、めでたし、めでたし・・・でしょうか?

本当に?


ここでも捻くれ者の私は考えます


ちょっと待てよ

それじゃ
ウサギは失敗しても
きっと誰かが助けてくれるから良いやと
甘えてしまいませんか?

カメはカメで
他人に恩を売っておけば
結果、後で自分が得をする事になると
打算的な行動ばかりに気が入ってしまいかねません


それじゃ教訓にならないですよね


それでは
理想的な結末とは他に何が考えられるでしょう?


ここから先は少し物語風にアレンジをしてみましょう


「カメ君、起こしてくれてありがとう。
 君が起こしてくれなかったら
 私は勝負に負けていたばかりではなくて
 ウサギ村の仲間にもバカにされていた所だよ。
 そうでなくとも、もしかしたら今頃
 オオカミの餌になっていたかも知れない。
 このまま勝負を続ける訳にはいかない。
 お礼と言う訳じゃないけど
 カメ君、どうぞ先に出発してくれないか?
 30分したらボクも走るから
 それからが本当の勝負だ」

「いや、ウサギ君。
 ボクも歩きながら色々考えていたんだ。
 君にノロいと言われて思わずカッとなってしまって
 見境無く、君に勝負を挑んでしまった。
 実は、さっき寝ている君を見た時も
 正直、ザマーミロと思ったんだ。
 このまま黙って先に行けば
 君に勝って見返してやれるってね」

「カメ君・・・」

「でも、それで君に勝ったとしても
 ボクは一生後悔をする事になったと思うんだ。
 少なくとも
 そんなボクをボクは好きになれないだろうなって」

ウサギはカメの言葉を噛み締めながら考えていた

すると急に地面に膝をつけると頭を下げて
さっきまでの暴言を詫びた

「カメ君。酷い事を言ってごめん!
 考えたらさ。
 確かに陸上ではボクの方が何倍も速いと思うけど
 水中で競争をしたらボクは君には絶対敵わない。
 ボク達は得意なモノが違うんだ。
 それを比べるなんて愚かな事だったんだ。
 本当は
 お互いの弱い処を助け合ったり
 お互いの強い処を認め合わなきゃいけないんだよね」

「ウサギ君。もう良いよ。
 さぁ、顔を上げてよ」

「ボクを許してくれるのかい?」

「許すも何も。
 ボクだって君の立場だったら
 きっと同じ事を言ったかも知れないよ。
 どうだい?
 勝負の前に戻るって意味で
 これからスタート地点まで一緒に戻らないか?」

こうしてウサギとカメは一緒に歩き出しました

周りの景色をゆっくり眺めながら
お互いの事や色々な事を話しているうちに
さっきまでの勝負の事なんかスッカリ忘れていました

そして
スタート地点に戻った頃には
ウサギとカメは大の仲良しになっていました

めでたし、めでたし。。。















































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