嘘
嘘もつき通せば真実になると誰かが言っていた
でも、その為には条件がある
ついた嘘は覚えていなければならない
ついた嘘に疚(やま)しさを持ってはいけない
ついた嘘を自分も信じ続けなければならない
良心の呵責が有ったとしても
それを表に出してはいけない
それを心の重荷にしてはいけない
それを人生に落としてはいけない
つき通す嘘
ひとつの嘘を守る為にまた嘘を重ねる
嘘をまたひとつ重ねる度に
綻びの種を蒔く事になると言うのに
それでもつき通さなければならない嘘
それは保身の為?
それは誰かを気遣っての嘘?
嘘をつき通して
誰にも話さず
自分だけの胸にしまい込んだまま
墓場まで持っていけば
本当に嘘は真実になるのだろうか?
それは分からないけど
もし、言える事があるとするなら
そのくらいの覚悟が無ければ
嘘などつくべきでは無いのだろう