YUKIへの手紙







YUKI・・・

君が僕の目の前から突然いなくなって
もう半年以上になるね

あれほど毎日のように君と過ごしていたのに

僕は冷たい男

いつか夏が訪れた頃には
もう君の事は忘れていたよ


YUKI・・・

君はいつも
僕の都合なんて知らん顔をしてさ

来るのもいなくなるのも
いつも突然なんだね

僕がどれだけ好きになろうと努力しても
君はいつも奔放で気紛れで

そして冷たくて


でも、考えたら長い付き合いだったよね


昔は本当に君といると楽しかった

君がそこにいてくれるだけで
心が躍る毎日だった

「今日は何をしよう?」

そう考えるだけで本当に楽しかった

僕は君に夢中だったんだよ

知ってたかい?

何処かに出掛けられなくたって
君を見ているだけで僕はそれで良かったんだ

それは本当だよ
嘘じゃない


ただ・・・

そう

変わってしまったのは
多分、僕の方だね

そんな僕に君を責める資格なんて無いのに

いつしか、僕は
毎日のように付きまとう君を
疎ましく思うようになっていた


YUKI・・・

君はいつもただ純粋なだけだった

巡るましく変わる表情も
素っ気ない態度も
時が流れて行くのと同じくらい
君にしたら自然の事だったんだよね?

ただ
僕にはその純粋さが眩しかったんだ

だから、つい意地悪をしたくなって
君を邪魔者扱いみたいにしてさ

何回となく
家の前に来た君を僕は除け者にした事もあったね


謝っても、許されないだろうって事は
本当は僕にも分かっていた

でも
君は僕に何ひとつ文句を言う訳でも無くて
黙って僕の前から姿を消した


そんな君の事を忘れられるなんて無いと思っていた


だけど、僕は冷たい男

日々の忙しさを言い訳にして
いつしか君の事を忘れていたよ

いや、忘れようとしていたのかも知れない


YUKI・・・

そんな君の事を昨夜突然風の噂で聞かされたよ

僕の心の動揺を君は知らないだろうね?

どうしたら良い?

やはり
もう一度ちゃんと向き合わなければ
いつまでもずっと引きずってしまうだろうか?

だけど・・・

今の僕には未だその勇気が持てないでいる

僕は卑怯な男

出来るなら
君と再会しないで済む事を僕は祈っている

もちろん

自業自得なのは分かっているよ

だけど
君の冷たい仕打ちに甘んじる勇気も無いんだ

出来るならここから逃げ出したいとさえ思っている

僕はずるい男だね


YUKI・・・

君の噂話も聞かなければ良かった

それでも君は何事も無かったような顔をして
いつかここにも来るんだろうね?


分かったよ

僕ももう逃げない

君とちゃんと向き合うよ


YUKI・・・

どんなに嫌いになっても
どんなに憎く思っても
どんなに嫌でも
それでもやっぱり君とは別れられない

それも僕が一番分かっているよ

ちゃんと受け止めなきゃいけないって事もね

だって君と僕は
生まれた時からの腐れ縁みたいなものだもの

どうしようもないよね?

これも縁さ

北海道に住んでいる限りはね


そうだろ?


今度逢う時はお互いに笑って逢えると良いんだけどね

そう願っているよ





     ふゆの ゆき 様


              夢乃咲道 拝
































inserted by FC2 system