コーヒーをもう一杯
秋も暮れた日の日曜日
何をする訳でもなくて
何となくノンビリの午後
退屈も手持ち無沙汰も
案外悪いもんじゃなくて
掃除機をかける君を見てた
ねぇ、手が空いたら
コーヒーをもう一杯入れてくれないかな?
「もうすぐまた冬だね」
そう言って君が窓を開けると
一陣の風が部屋に吹き込んだ
風にめくれた新聞を手で抑えて
慌てる僕を見て君が笑う
君に振り回されるのにも慣れたけど
ねぇ、窓を閉めたら
コーヒーをもう一杯入れてくれないかな?
巡る季節は急ぎ足
木の葉を落として冬支度
急かす木枯らしは誰の背中を押している?
そんな景色を眺めながら
ゆるやかに流れるこの時間
めくり忘れた日めくりが笑ってる
ねぇ、こっちに来て
コーヒーをもう一杯入れてくれないかな?