どうせ君を忘れられないのなら








時計は午前2時を回ったところ
眠れない夜に僕は迷い込んだ

寝返りを何度打っただろう?
いったい何匹の羊を数えただろう?


頭にチラついて離れないのは
あの日、あの時の君の涙

せめて別れが笑顔だったら
僕も君の事なんかすぐに忘れられた

「どうして?」って訊きたかったのは
僕の方だったよ




あれから君の事を忘れようとして
二人の写真は全部燃やした

それでも棄てられなかった
君の笑顔のポートレートが一枚


アルバムの隅っこで今も
僕だけに笑顔を見せている

どうせ忘れられないのなら
いっそ君の全てを覚えていよう

想い出がセピア色になって
君の笑顔さえ解らなくなるまで




いつか僕が君の知らない誰かと
アルバムを増やしていったとしても

きっと君の事はいつまでも
忘れないだろうと思う


心残りとか未練じゃなくて
君との時間も僕の一部

だから忘れないでいるよ
いつか君の知らない誰かに

笑って君の事を
きっと話せるようになるから




どうせ忘れられないのなら
いっそ君の全てを覚えていよう

想い出が尽きない夜と
明日の僕の為に








































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