遠 景







逝く夏を送る野辺に 君の笑顔が花を散らす
眩しくて かざした指の隙間からこぼれる
木漏れ日の向こうには秋
夢遥か遠く想いの彼方 二人辿る道も無い

悲しみを振り返る時に何故心だけが
閉ざされた風景を映す?

移り行く物を季節に例えて
惑う間も無くやがて冬が来れば
流れ行く時を想い出に変えて
過ぎて行く日々を悲しみで数え
辛くなるからと君が手を振った
見送る僕だけ今もそこに居る




静けさは悲しみだけ呼び止めては 繰り返す夢の続き
モノクロのラストシーンに 演じてた二人の
終止符を打つ それは秋
いつの間に変わる そんな人の心を誰が知るだろう

さりげない君の優しさが 心に突き刺さる
サヨナラといっそ言えば良い

移り行く物を季節に例えて
惑う間も無くやがて冬が来れば
醒めて行く愛は木枯らしの中で
想い出の枯葉を又ひとつ散らし
誰のせいで無く心は離れて
いつの間にか君は笑わなくなった




移り行く物を季節に例えて
惑う間も無く冬が来れば
出口の見えない夜のしじまに彷徨い
君の名を叫ぶ 君の影を追う
二度と戻らない扉の向こう側
見送る僕だけ今もそこに居る

















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