君がいない事








ドアの鍵を開けて
灯りの無い部屋に入る

冷え切った部屋は
灯りを点けても寒々しくて
君がいないってこういう事なんだと
思い知らされる



消し忘れたふりで
スマホに残した一枚の写真

僕が好きだった君の
最高の笑顔のはずだったのに
どうして今はこんなに悲しそうに
笑ってるんだろう?



変わってしまったのは多分
僕の方だったのかもしれない

些細な事だと思っていたのも
多分僕だけだったのかもしれない
時が流れるってそういう事なんだと
誰に嘘をついてた?



ネクタイを緩めて
ジャケットのボタンを外す

ルーティーンのように
身体が勝手にコーヒーを入れた
それが冷めていくのをただ見てるだけの
何もない時間



誰かの話し声が
したら少しはマシかもなんて

観もしないテレビを
点けてはみたけど虚しいだけで
君がいないってこういう事なんだと
思い知らされる



君がいない事が
僕の人生をどんな風に

変えていくんだろう?
少なくとも君と出会う前の僕には
戻る事はないんだろうとは思ったりする
それで良いんだ、きっと







































inserted by FC2 system