幻
それはとても懐かしい温もり
君が誰なのか?
何年経っても何十年経っても
僕はすぐに思い出すだろう
そんな僕のことを思い出すこと
君はあるだろうか?
君の心の何番目かの引き出しに
今も僕は仕舞われているだろうか?
まだ暗い朝
ほろ苦い目覚め
現の時を拾えば
彼方に見えるのは君の幻
君の温もりならすぐに思い出せるのに
あんなに好きだった
君の笑顔が思い出せない
君とは短い旅を共にしていた
それだけのこと
けれど僕の人生にとっては
とても大きな人になった
夢がもし後悔を映し出す
ただの鏡なら
もう二度と夢なんか見なくていい
君の幻を追いかけなくて済むから
記憶何て、そう
想い出なんて、そう
まるで真昼の月のように
照らせるものなんて無いのだろうか?
君の想い出ならいくつも思い出せるのに
あんなに好きだった
君の笑顔が思い出せない