眠り損ねた夜に時計は止まる
夜の静寂の中で
沈黙の音は鼓動と同期して
胸の奥の奥に仕舞い込んでいた
遠い記憶の匣(はこ)を開く
ジグソーパズルのような
幾つもの断片(ピース)を並び変えて
辿るように思い出している
眠り損ねた夜に時計は止まる
目を閉じても見えるのは
忘れるはずのない後ろ姿(シルエット)
懐かしい胸の痛みと
そして、二度と還らない季節の感傷(うずき)
いつか観た映画のエンドロール
二人話した未来の事
君が流した涙の訳
眠り損ねた夜に時計は止まる