桜 〜あの時の春〜







あの時の春は優しい風が吹いていましたね
 
君と僕 少し照れながら
 
並んで歩いた桜の道は
 
妙に眩しくて とても嬉しくて
 
時々触れ会う君の手に
 
僕は心をときめかせていました
 
 
 
 
あの時の君は切り過ぎた髪を随分気にしてましたね
 
そんな君に 僕は気の利いた
 
言葉のひとつも言えなくて
 
ただ桜がキレイだとか
 
空がどうとか他愛も無い話ばかりで
 
そんな僕を見て君はクスッと笑いました
 
 
 
 
あの時の僕がもしももっと大人だったなら
 
二回目の春も 三回目の春も
 
同じように君とこの道を
 
一緒に歩いていたでしょうか
 
幼すぎた二人の恋は桜の花のように
 
淡い色のままでそっと散っていきました
 
 
 
 
あの時の春は優しい風が吹いていましたね
 
ヒラヒラと舞う桜の花びらは
 
薄水色の空に良く映えて
 
懐かしい日々を美しく彩っています
 
切ない想い出は初めての恋
 
今もこの道の何処かにあの時の二人がいる気がして
 
 
 
 
ふと思い出した君の
 
はにかんだ笑顔に目を細めながら
 
あの時の風の中を僕は一人で歩いています
 
懐かしい想い出は桜色の恋でした
 
 
あの時の春は優しい風が吹いていましたね










































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