テーマ「雪」 Episode U







「また雪だね」って
君は窓の外をぼんやり観ていた
僕はそんな君の何を観ていたんだろう?
 
白い雪が隠すものは街の汚れだけじゃない
 
ちょっとの隙に見逃していた
君の心も隠してしまっていた
 
黄昏の街が静かに暮れゆき
ふわりふわり 雪がその色を変えていく
 
 
 
「仕方ないよ」って
僕の言い訳を責める事もなく
君はむしろ微笑んだ それは優しさだったのか
 
それともそれは僕への悲しい諦めだったのか
 
そうだね 君に嫌われた方が
僕の心も軽くなるだろう
 
君の温もりが微かに残る部屋を
僕も今出ていく 鍵だけを残して
 
 
 
すれ違いの始まりは
多分 ホンの些細な事だったけど
それに気が付くには 僕はきっと若過ぎた
 
白い雪がキレイなのはみんな包み隠すから
 
男と女は哀しいね
別れた後で分かり合えるなんて
 
立ち止まり空を僕は見上げた
ふわりふわり 雪が空を上っていく
 
 
 
男と女は哀しいね
別れた後で分かり合えるなんて
 
行き場を失くした君への想い
ふわりふわり 舞う雪のように






































inserted by FC2 system