手 紙
拝啓
バス通勤をしていると
季節の移り変わりが良く分かります
バス停まで歩くホンの数分の間にさえ
四季折々の風景が拡がっていて
朝の空気
街路樹のさざめき
公園脇のベンチが創る歪な影
街角の花屋の店先の
およそ季節とは不釣り合いなディスプレイ
そして
見上げた夜空に煌めく無数の星達
考えたら
どれも君と一緒に見た風景ばかりです
思わず苦笑いがひとつこぼれました
忘れたと思っていた心に
まだこんなにも想い出が残っていたんですね
季節は巡り
早いものでもう二年が過ぎました
君は元気ですか?