残 照







ねぇ、どれだけの時間が必要だったの?
ただの恋が愛に変わるまでに

駆け抜けた二人の恋は
愛になりそこねたまま迷路の隅でうずくまってる

何が本当で何が嘘なのか考えもしなかった

目の前の君 目の前の今
それだけを感じてた それだけを求めてた

行き先も分からないまま
でも、それで良いと思ってた




ねぇ、胸の痛みが今も君を探してる
抑えても抑え切れなくて

こんなに愛していたなんて
遊びの恋だと最初に言っていたのは僕の方だったのに

確かなものなんて何もいらないと思ってた

目の前の君 目の前の今
手が届くものだけ それだけを求めてた

君が見ていたものを
僕は見ようともしないで




夕暮れの微かに残った光の中に
浮かぶ二人のシルエット

踊るようにはしゃいでいた
あの夏を渡る風は永遠と一瞬を繰り返していた

繋いだ手もいつか離れてしまう 分かってた

戻らない日々 通り抜けた風
夏の終わりを告げる鐘が物語の幕を閉じた

エンドロールに映る
君の笑顔を残して


































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